ゆうらくではリフトなど福祉機器が縦横に
活用されている。
同施設の仕掛け人である山野良夫参事は「介護の技術も充分、受けていない家族が在宅介護でくたくたに疲れているのを見ていられない。プロならではの技術を生かしたい」とのことから出発したそうです。
活用されている。
ゆうらくの続きです。
同施設は、03年度から06年度にかけて厚労省の未来志向研究プロジェクト「ホーム・シェアリング」を実施しました。5ユニットの1室、計5室をホームシェアリング対応にあて、利用者は在宅と施設を1~2か月ごとにローテイションする方式です。06年度には1週間単位で在宅と特養をスイッチしました。
同施設の仕掛け人である山野良夫参事は「介護の技術も充分、受けていない家族が在宅介護でくたくたに疲れているのを見ていられない。プロならではの技術を生かしたい」とのことから出発したそうです。
同施設がまとめた報告書「平成18年度 老人保健健康増進等事業 在宅ケアマネジャーを中心とした在宅と施設機能の有機的連携事業報告書」を読んで、特に印象的だったのは次の4つです。
①利用者の状態の改善
●質の高いケアと居心地のよい環境を提供できる施設で利用者の体力、意欲が回復する
●家族のレスパイトにも効果的。
②入所者との交流
●1週間ごとに外からの風が入ってくることで、施設の入所者にいい刺激となる。
③財政面での負担軽減
●在宅よりも施設利用はコストがかかるが、在宅と施設を交互に利用することで負担が軽くなる。
④ケア体制の確立
●居宅のケアマネが在宅と入所時にかかわらず、一貫して担当することで、全体的なケアのシステムができた。在宅と施設との風通しがよくなった。
上記のプロジェクトは2000年の介護保険導入後の熱気がまだ厚労省のなかに残っていたときに立ち上げられました。その後、次第に予算が削られ、研究プロジェクトは成果が上がったものの、それが全国モデルにはなりきらないまま立ち消えになってしまいました。
財政的な負担の大きい特養の新設より、今、既に全国におよそ3万ある介護施設と在宅とがいかに有効に連携していくのかが問われています。