東京都中野区に住んでいる三好亜矢子です。 おしゃれにエコシフトする中野区民31万人の挑戦に向けて、 日々是学習、思考、行動。 「まちをデザインする」を執筆中。

2009年7月24日金曜日

まちを静かにする電気自動車

 環境負荷の小さい次世代自動車として人気沸騰中の電気自動車。排気ガスも出さず、走りもなめらか。そして何よりの魅力はその静けさ。専門用語では「静粛性」と呼ぶのだそうです。最近、浜松市で開発された三輪の一人乗りタイプはスクーター感覚で気軽に使えるコンパクトさがうれしい。

 毎日の買い物や早朝の宅配便など、さらにはカーシェアリングに利用してみたいもの。近い将来、中野区内の区域を限定して電気自動車以外の車の乗り入れ、通過を規制する特区申請も考えられます。
もちろん、交通政策は、中野区だけで取り組めるものではないので、東京都はじめ近隣区との連携が
必須です。

▽充電8時間で、40㌔走行
 この一人乗りタイプは全長2.5㍍、全幅1.3㍍、全高0.85㍍。深紅の色合いも鮮やかに前部から後部にかけてゆるやかに卵型の流線形を描くフォルムが美しい。重さは137.9㌔と軽自動車の5分の1。後ろの駆動輪を二つから一つに減らすことで電気系統のパーツが半分になり、さらに車が軽くなりました。最高時速45㌔。12ボルトの鉛電池を運転席の下、前後左右に4個搭載し、8時間充電で40㌔走行できます。車体のなかはスケルトンのようにすっきりとしています。主なパーツはバッテリー、モータ、コントローラーとDIYで調達できるもので手作りしたものです。

▽まちの騒音防止
 量産に向けて順風満帆に見える電気自動車ですが、その静かさが問題視され始めています。あまりに静かなので、歩行者や自転車などがその接近に気がつかず危険だという訳です。
 
 開発にあたった「HSVP」(Hamamatsu Smallest Vehiclesystem Project・超小型電気自動車を普及させるプロジェクト)理事長で、静岡文化芸術大学准教授の羽田隆志さんは、「電気自動車が静か過ぎるというのは、逆に、今のまちがいかに騒々しいかを示している。電気自動車に音をつける発想ではなく、静かな車でも充分、気がつくようにまち全体を静かに、ゆったりしたリズムで人や車が動く社会に変えていくことが大切」と話してくださいました。
 横浜市や都内で増え始めているカーシェアリングに導入されれば、排気ガスも騒音も出ないため、地域の環境改善にも貢献できると思います。

【「HSVP」(Hamamatsu Smallest Vehiclesystem Project・超小型電気自動車を普及させるプロジェクト)】432‐8061静岡県浜松市西区入野町898
053‐447‐4403